キャンペーンサイトは、短期間で商品やサービスの認知度を高め、ユーザーに購入や登録といったアクションを促すための強力な手段です。ただし、その効果を最大化するには、目的やターゲットに応じて最適な形式やサイトタイプを選ぶことが重要です。
本記事では、キャンペーン形式の特徴や選定のポイントについて、具体的な成功事例を交えてご紹介します。これからキャンペーンを実施しようと考えている担当者の方に、是非押さえておいていただきたい内容です。
目次
キャンペーンサイトの基本
まず最初に、キャンペーンサイトの概要と目的、コーポレートサイトとの違いなどについて解説します。
キャンペーンサイトとは何か
キャンペーンサイトは、特定のキャンペーンを目的として設計されるWebサイトです。一般的な企業サイトとは異なり、キャンペーンサイトは短期的なプロモーションに特化しており、ユーザーに特定のアクション(応募、購入、シェアなど)を促すことが主な目的です。
そのため、視覚的な訴求力や直感的な操作性が重要であり、キャンペーンのテーマに合わせたクリエイティブな表現が使われることが多いです。
キャンペーンサイトをつくる目的
キャンペーンサイトを作成する目的は様々ですが、主に以下の3つが挙げられます。
認知を広げる
新商品や新サービスの発表時に広く知ってもらうことを目的としたものです。SNSや広告と連動することで、多くの人に短期間でリーチすることが期待できます。
売上を促進する
割引や特典、限定アイテムを使い、顧客の購買意欲を引き出します。「今だけ」「特別」などの訴求でユーザーの行動を引き出しやすくします。
顧客とのつながりを深める
会員や既存顧客向けに特典を提供し、ブランドへのロイヤリティを高めます。限定キャンペーンに参加してもらうことで、継続的な関係構築にもつながります。
コーポレートサイトとの違い
キャンペーンサイトとコーポレートサイトには、目的や設計の面で大きな違いがあります。
コーポレートサイトは、企業の情報を広く網羅し、株主や取引先、求職者、消費者など、様々な利害関係者に向けてつくられています。長期的な信頼構築を目指し、会社概要や事業内容、社会貢献活動などが詳細に紹介され、企業の価値観やビジョンが伝わるようになっています。
一方、キャンペーンサイトは、特定のプロモーションやイベントに焦点を当て、短期間でユーザーの行動を引き出すことを重視しています。ターゲット層を絞り込み、参加や購入といった明確なアクションを促すため、必要な情報を簡潔かつわかりやすくデザインします。短期間で効果を発揮するようにつくられている点が、コーポレートサイトとの大きな違いです。
キャンペーンサイトの種類と選定ポイント
効果的なキャンペーンサイトを作成するには、キャンペーンの形式やサイトのタイプをしっかり理解することが重要です。キャンペーンには、目的やターゲットに応じた様々な形式があり、それぞれが異なる効果を持っています。同時に、キャンペーンサイトの種類やデザインも目標に合わせたものを選ぶことで、より高い成果を得られます。
この章では、キャンペーン形式とサイトの種類について整理し、適切な選定ポイントを確認していきます。
キャンペーン形式の分類表
キャンペーンを検討する担当者にとって、まず重要なのが、どのようなキャンペーンを行うかを明確にすることです。
キャンペーンには「プロモーション型」「集客型」「エンゲージメント型」「販促型」など複数の形式があり、それぞれ目的とターゲットが異なります。
以下、各形式の特徴を表形式でまとめましたので、自社のプロモーションの目的に対して、どの形式が最も適しているか、検討の参考にしてください。
分類 | キャンペーン形式 | 特徴 |
---|---|---|
プロモーション型 | オープンキャンペーン | 誰でも参加可能で、SNSや広告による拡散を通じて認知を広める形式 |
タイアップキャンペーン | 他ブランドや企業と協業し、相乗効果で認知を拡大。両ブランドのファン層へリーチ可能 | |
集客型 | クローズドキャンペーン | 購入者や会員限定で実施し、既存顧客のエンゲージメント向上とリピート率の向上を狙う |
イベントキャンペーン | オンライン・オフラインのイベント参加を促し、参加者とのつながりを深め、ブランド理解を促進 | |
エンゲージメント型 | 懸賞型キャンペーン | 抽選で賞品を提供する形式で、参加者に気軽に楽しめる体験を提供し、エンゲージメント向上を狙う |
販促型 | 割引・セール型キャンペーン | 商品の割引やセール情報を提供し、即時的な購買行動を促す |
クーポンキャンペーン | 割引クーポンを提供し、購買意欲を刺激して実店舗やオンラインでの購入を促進 | |
無料サンプル配布キャンペーン | サンプルを配布し、実際に商品を試すことで購入につなげる | |
マストバイキャンペーン | 購入特典を提供し、特定の購入条件を満たした顧客に追加価値を提供し、販売促進 |
キャンペーンサイトの分類表
キャンペーン形式と同様に、キャンペーンサイトにも、様々なタイプが存在します。例えば、新商品の発表に最適な「プロダクトローンチサイト」や、イベント告知に特化した「イベント・キャンペーン告知サイト」など、用途に応じたサイト設計が必要です。
以下、キャンペーンサイトの主な分類と特徴についてまとめました。
キャンペーンサイトの種類 | 特徴と活用シーン |
---|---|
プロダクトローンチサイト | 新商品や新サービスの認知拡大に特化。製品の特長を引き出し、初回購入者向けの特典を掲載するなど、短期間で話題を集めるデザイン。 |
イベント・キャンペーン告知サイト | 展示会やセミナーなどのイベント情報をわかりやすく告知し、日時や場所、申し込み機能などで参加しやすさを重視した設計。 |
キャンペーン応募・エントリーサイト | プレゼントやコンテストなどへの参加を促進する設計。応募手続きを簡単にし、インセンティブの魅力を強調する。 |
コラボレーションサイト | 他ブランドやインフルエンサーとのコラボ企画に適したサイト。双方のブランドイメージを活かし、新たなターゲット層にリーチ。 |
季節・テーマ限定サイト | 季節や特定イベントに合わせたプロモーションで、季節感を反映したデザインで関連商品や限定割引を強調し、期間限定で購買意欲を刺激 |
キャンペーンサイトタイプと形式の選択ガイド
ここまでで、キャンペーン形式とサイトタイプについてそれぞれの特徴を見てきました。次に大切なのは、これらを自社の目的に合わせて効果的に組み合わせることです。
目的別に最適なキャンペーン形式とサイトタイプを選択ができるよう、以下、実践に役立つガイドラインを取りまとめましたので、ご活用ください。
目的 | キャンペーンサイト分類 | キャンペーンサイトの種類 | 特徴と活用シーン | 適したキャンペーン形式 | 適用例 |
---|---|---|---|---|---|
ブランドや商品の認知を広めたい | プロモーション型 | プロダクトローンチサイト | 新商品や新サービスの認知拡大に特化。初回購入者向け特典を提示し、短期間で話題を集める。 | オープンキャンペーン | 新商品発売記念で幅広く認知を広めたい場合 |
コラボレーションサイト | 他ブランドやインフルエンサーとのコラボで、新規ターゲット層にリーチ。双方のブランドイメージを活かす。 | タイアップキャンペーン | 他ブランドと協業し相乗効果を狙いたい場合 | ||
既存顧客や会員を活用してエンゲージメントを高めたい | 集客型 | イベント・キャンペーン告知サイト | 展示会やセミナーを告知し、日時・場所や申し込み機能を備え、参加しやすい設計。 | イベントキャンペーン | 来場者向けに商品理解を深めたい場合 |
キャンペーン応募・エントリーサイト | プレゼントやコンテスト参加を促進。応募手続きを簡素化し、インセンティブを魅力的にアピール。 | クローズドキャンペーン | 会員限定の特典やイベントでリピート率を上げたい場合 | ||
顧客の関心を引き、ブランドとの関係を強化したい | エンゲージメント型 | 季節・テーマ限定サイト | 季節や特定イベントに合わせたデザインで期間限定感を演出。関連商品や限定割引で購買意欲を刺激。 | 懸賞型キャンペーン | 賞品を通じてSNSで拡散・関心を引きたい場合 |
実際の購買行動を促して売上を上げたい | 販促型 | プロダクトローンチサイト | 新商品の割引や特典を設定し、初回購入を促進。短期間での売上増加を目指す。 | 割引・セールキャンペーン | 即時購入を促進する特典を提供したい場合 |
季節・テーマ限定サイト | 季節に応じた商品やサービスを訴求し、限定セールやキャンペーンで購買意欲を高める。 | クーポンキャンペーン | 実店舗やオンラインでのクーポンを活用したい場合 | ||
キャンペーン応募・エントリーサイト | サンプル配布やキャンペーンで、実際に商品を試してもらい、購買意欲を刺激。 | 無料サンプル配布キャンペーン | 製品を試してもらい購入意欲を引き出したい場合 | ||
コラボレーションサイト | 購入条件を満たすと特典を付与し、一定額以上の購入者に追加価値を提供。 | マストバイキャンペーン | 一定額以上の購入者に特典を提供し購買意欲を高めたい場合 |
ここまでで、キャンペーンサイトの種類と選定ポイントについて見てきました。
次の章では、キャンペーン形式ごとの成功事例を通じて、効果的なキャンペーンサイトの活用方法を深掘りしていきます。
キャンペーン形式別の成功事例
ここでは、プロモーション型、集客型、エンゲージメント型など、主要なキャンペーン形式ごとの代表的な成功事例をご紹介し、実践に役立つポイントも解説します。各事例を通じて、キャンペーン形式の特徴や有効なアプローチをイメージしてもらえればと思います。
プロモーション型キャンペーンの成功事例
プロモーション型キャンペーンは、ブランドや製品の認知度向上を目的として、視覚的に訴求力のあるサイトを構築します。新商品の発表やブランドリブランディングに有効です。
オープンキャンペーンの成功事例
誰でも参加できる形式で、SNSや広告を利用した拡散によって、幅広いターゲット層にブランドや製品の認知を広げます。以下、オープンキャンペーンの成功事例をご紹介します。
<LOTTE「パイの実キャンペーン」>
ロッテの「パイの実」キャンペーンでは、幅広い年齢層に認知されているお菓子の魅力をSNSや広告で強力に拡散し、多くのユーザーの関心を集めました。期間中、SNSを活用した参加型キャンペーンを通じてブランド認知度が大幅に向上しました。
タイアップキャンペーンの成功事例
他のブランドや企業と協力して実施し、相乗効果を期待する形式です。協業するブランドのターゲット層にもリーチでき、双方の認知度向上が可能です。以下、タイアップキャンペーンの成功事例をご紹介します。
<ポケモン×東京ばな奈 コラボキャンペーン>
東京ばな奈とポケモンのタイアップキャンペーンでは、両ブランドの知名度を活かし、SNSで広がる工夫がされています。
※参考:ポケモン東京ばな奈「見ぃつけたっ」|東京ばな奈ワールド
集客型キャンペーンの成功事例
集客型キャンペーンは、イベントや特定プロモーションへの参加者を集めることを目的とし、企業のイベントやセミナーの告知や登録に効果的です。
クローズドキャンペーンの成功事例
集客型キャンペーンのうち、クローズドキャンペーンは、購入者や会員限定で実施され、既存顧客のロイヤルティを高め、リピート率を向上させます。以下、クローズドキャンペーンの成功事例をご紹介します。
<サンスター LINEクローズドキャンペーン>
サンスターは、LINEを利用して購入者限定のキャンペーンを実施。対象商品の購入者に特典を提供することで、リピート顧客のエンゲージメント向上につながるように設計されています。
※参考:LINEヤフー for Business
イベントキャンペーンの成功事例
イベントキャンペーンは、オンライン・オフラインのイベント参加を促す形式で、参加者を集め、ブランドや製品への理解を深めます。以下、イベントキャンペーンの成功事例をご紹介します。
<ジェンハイジャパン「Neakasa」Pet博2024なごや>
ジェンハイジャパンが主催した「Pet博2024なごや」イベントでは、実際に製品を体験できる場を提供し、来場者の購買意欲やエンゲージメントを向上させる工夫をしています。
エンゲージメント型キャンペーンの成功事例
エンゲージメント型は、ブランドとユーザーの関係性を強化し、ブランドへの愛着を深めることを目的とします。クイズや抽選を取り入れ、参加体験を楽しさに変えることでリピーターを増やします。
懸賞型キャンペーンの成功事例
抽選で賞品を提供する形式で、多くのユーザーが気軽に参加でき、フォロワーやメルマガ登録者の増加が期待できます。以下、懸賞型キャンペーンの成功事例をご紹介します。
<カゴメ 懸賞キャンペーン>
カゴメは、特定の商品を購入したユーザーを対象に抽選で賞品が当たるキャンペーンを実施しています。
例えば、「中華×オムライスキャンペーン」は、お店に行ってキャンペーンに参加してもらうことで、抽選で100名にPay1,000円分が当たるキャンペーンです。LINEから応募ミッションをクリアする必要があり、LINEの友達獲得施策にもなっています。
※参考:カゴメ株式会社
キャンペーンサイト制作でよくある課題と解決策
キャンペーンサイトを運用していると、いくつか課題にぶつかることがあります。例えば、ターゲット層にしっかりとリーチできない、コンバージョンが思うように上がらない、エンゲージメントが続かないといった問題です。
こうした課題に適切に対応することで、キャンペーンの成功率を大幅に引き上げることができます。ここでは、よくある課題とその解決策について詳しく見ていきます。
ターゲットにリーチできない
キャンペーンのターゲット層に十分にリーチできない場合、参加者が増えず、期待する効果が得られないことがあります。
<解決策>
ターゲットに響くSNS広告やインフルエンサーとの提携を活用するのも手です。例えば、SNSではターゲット層のデモグラフィックや興味関心に合った広告配信を行うとともに、インフルエンサーが参加することで親近感や信頼性を向上させることが可能です。さらに、広告内容もターゲット層に合わせて調整し、視覚的に訴求力のあるクリエイティブを使用することでリーチを拡大できます。
コンバージョン率が低い
アクセス数が多くても、ユーザーが期待する行動(応募、購入など)に至らない場合、コンバージョン率が低く、キャンペーンの成果が思うように上がらないことがあります。
<解決策>
ユーザーが迷わず行動できる導線をデザインし、明確なCTA(行動喚起)ボタンを配置することが重要です。例えば、「今すぐキャンペーンに応募」といった具体的な文言で興味を惹き、色や配置を工夫して目立たせることが効果的です。また、A/Bテストを活用し、様々な要素を検証することで、コンバージョン率を向上させることができます。
エンゲージメントが持続しない
キャンペーン中は盛り上がったものの、その後、フォロワーやメルマガ登録者が減少してしまうという課題があります。
<解決策>
キャンペーン後のフォローアップ施策が鍵となります。リマインドメッセージやメルマガ配信を定期的に行い、キャンペーンに参加してくれたユーザーの関心を維持しましょう。さらに、フォローアップキャンペーンや特典付きのアンケートを実施することで、継続的なエンゲージメントを図ることが可能です。
もちろん、闇雲に情報を提供すれば良いというものではありません。ユーザーにとって価値ある情報を提供することがポイントです。
まとめ
この記事では、キャンペーン形式やサイトタイプの選び方について、効果的な選定ポイントをお伝えしました。目的やターゲットに合わせ、キャンペーン形式とサイトタイプを適切に組み合わせることが、キャンペーンの成功には欠かせません。
キャンペーンを実施した際には、キャンペーン期間中のリーチやコンバージョン率、キャンペーン後のエンゲージメントの検証を行い、次のキャンペーンに活かすことが重要です。
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